前の高校の出席日数や欠席日数は、転学時の指導要録を通じて転入先へ伝わります。ただし、記録が届くことと、その日数が通信制高校のスクーリングや単位認定へそのまま使われることは同じではありません。
「引き継がれるか」は、記録・候補校の判定・転入後の学習の3つに分けて確認します。候補校1校ごとに出欠記録・転入後要件確認票を作り、学校の回答を残してください。
出席日数の「引き継ぎ」には3つの意味がある
一問だけで「出席日数は引き継げますか」と聞くと、学校がどの意味で回答したか分からなくなります。
| 確認する意味 | 学校へ聞くこと | 自動では決まらないこと |
|---|---|---|
| 記録が届く | 指導要録・証明書にどの期間の出欠が載るか | 家庭へ毎日の出席簿が渡されるわけではない |
| 候補校が記録を使う | 受入れ・支援・履修計画のどこへ使うか | 欠席が多いだけで全国一律に不合格になる |
| 前籍校の学習を認める | 科目別の履修状況をどこまで考慮するか | 出席日数と同じ分だけ登校が免除される |
在籍期間・出席日数・面接指導時間を分ける
全日制から通信制へ移ると、日常語の「出席」が複数の記録に分かれます。週1日など学校独自コースの通学頻度も、教育課程上必要な面接指導時間と同じとは限りません。
| 用語 | 表すもの | 確認先 |
|---|---|---|
| 在籍期間 | 高校へ学籍が置かれていた期間 | 前籍校の学籍記録と候補校の判定 |
| 出席日数 | 全日制・定時制で、出席すべき日数から欠席日数を除いた日数 | 前籍校の指導要録 |
| 出校日数 | 通信制で面接指導等のため出校した年度間の日数 | 通信制高校の指導要録 |
| 面接指導時間 | 通信制で科目ごとに受ける対面指導 | 転入後の教育課程・履修計画 |
前の高校へ長く在籍していたことと、毎日出席していたことも別です。在籍期間は受入年次や卒業までの期間を判断する資料になりますが、卒業に通算できる期間は候補校が正式書類を確認して判断します。
転学時は指導要録の写しが転入先へ送られる
学校教育法施行規則第24条第3項では、生徒が転学した場合、前籍校の校長が指導要録の写しを転学先へ送付すると定めています。以前にも転学歴がある場合は、前の学校から受け取った写しも送付対象です。
文部科学省の通知では、全日制・定時制は授業日数、出席すべき日数、欠席日数、出席日数などを、通信制は出校日数と出校状況の特記事項を記録します。前籍校は転学のため学校を去った日まで、転入先は転入学した日からその年度の終わりまでの記録を作成します。
欠席歴を隠して転校する仕組みではありません。一方で、出欠記録だけから合否や支援内容が全国一律に決まるわけでもありません。欠席理由、現在できること、必要な配慮を日数と分けて候補校へ伝えます。
現在も高校に在籍している転入学では、指導要録の写しなどを学校間でやり取りします。すでに退学が成立している場合は同じ転学手続きとは限らないため、編入学などの募集区分と、前籍校へ依頼する成績・単位・在籍関係の証明書を候補校へ確認してください。
指導要録の出欠欄と、本人が持っている通知表・出席状況の画面表示が一致しないように見える場合は、家庭で修正せず前籍校へ正式記録の期間と集計方法を質問します。候補校には正式書類が届く時期も確認します。
前籍校の出席日数はスクーリングへ自動換算されない
通信制高校の学習は、レポートによる添削指導、スクーリングによる面接指導、試験などで進みます。面接指導の標準時間は教科・科目で異なり、年間の登校日数だけで単位認定を決める仕組みではありません。
| 前籍校の状態 | 候補校へ確認すること | 避ける判断 |
|---|---|---|
| 全日制で出席日数が多い | 科目別の履修状況をどう確認するか | 同じ日数だけスクーリングが免除される |
| 欠席日数が多い | 選考・支援・履修計画へ使う範囲 | 欠席だけで転入できないと決める |
| 通信制から通信制へ転校 | 前籍校の出校・面接指導を何で証明するか | 出校日数だけで必要時間を計算する |
前籍校で進めた今年度の学習を候補校が個別に考慮する場合はあります。「全部使える」「一切使えない」と家庭で決めず、候補校が指定する証明書を提出した後の回答を受けてください。
通信制では、多様なメディアを利用した指導により面接指導時間を一部免除できる場合がありますが、前籍校の出席日数を家庭で免除時間へ換算するものではありません。どの科目で、どの学習が認められ、転入後に何時間残るかを科目別に聞きます。
学校公式例|出欠記録と履修判定は別に確認する
学校公式情報でも、出欠記録が届くことと、転入後の学習をどう認めるかは分けて案内されています。
| 学校 | 公式情報の例 | 確認すること |
|---|---|---|
| N高・S高・R高 | 提出書類を教育課程と照合して単位・在籍期間を認定し、出欠記録も原則引き継ぐと案内 | 記録の受取りと履修・卒業判定を分ける |
| NHK学園高等学校 | 一定条件の転入では、科目別の出席・欠課時数、試験、レポート状況を証明する書類を使用 | 書類提出後に何を認定するか |
これは学校固有の例です。希望年度・転入月・課程・コースと、前籍校の種類を伝え、必要な書類と判定時期を確認します。
候補校へ相談するときに用意する情報
候補校が「出席日数」をどの意味で確認すればよいか分かるよう、次の情報をまとめて伝えます。
| 用意する情報 | 具体的に伝える内容 | 候補校から受ける回答 |
|---|---|---|
| 前籍校と在籍 | 課程、入学日、現在も在籍中か | 転入・編入などの募集区分 |
| 希望する転入 | 年度、月、キャンパス、コース | 締切、選考、実際の転入日 |
| 出欠・出校の期間 | 何年度の記録を確認したいか | 必要書類と使用する範囲 |
| 履修中科目 | 科目名、出席、課題、試験の状況 | 継続・登録・再履修の扱い |
| 欠席理由と配慮 | 難しい場面、現在できること、必要な支援 | 相談先、対応可能な支援、回答期限 |
回答が「引き継げます」だけなら、記録が届く意味か、単位・面接指導へ認める意味かを聞き返します。正式書類の確認前後で回答が変わる項目も記録してください。
出欠記録・転入後要件確認票|記録・判定・学習を分ける
| 確認項目 | 学校への質問 | 記録する回答 |
|---|---|---|
| 前籍校から届く記録 | どの期間の出欠・出校が何の書類に載るか | 書類名・送付予定日 |
| 候補校が使う範囲 | 選考・支援・履修のどこへ使うか | 用途・正式判定日 |
| 前籍校の履修状況 | 科目別に何を証明すればよいか | 必要書類・認定する範囲 |
| 転入後の面接指導 | 科目ごとの必要時間と日程 | 会場・回数・最終日 |
| レポート・試験 | 転入後に必要な提出・受験 | 科目・回数・期限 |
| 必要な配慮 | 欠席理由に応じて相談できる支援 | 相談先・回答期限 |
| 回答記録 | 正式書類後に変わる項目 | 回答日・担当部署 |
面接指導の日程は「年間○日」だけでなく、科目別の必要時間、会場、連続日程、欠席時の振替、最終実施日まで確認します。通える回数ではなく、転入後に必要な学習を期限内に完了できるかで判断してください。
高2から転入して同じ3月に卒業できるかは、出席日数だけでなく、単位・在籍期間・転入後の履修期限で確認します。

まとめ:届く記録と転入後の要件を別々に聞く
前の高校の出欠記録は転入先へ送られますが、その日数が通信制高校のスクーリングへ自動換算されるとは限りません。届く記録、候補校が使う範囲、転入後に必要な面接指導・レポート・試験を分けて回答してもらいます。
参考資料
- e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」第24条
- 文部科学省「高等学校及び特別支援学校高等部の指導要録に記載する事項等」
- 文部科学省「通信制高校とは?」
- N高等学校・S高等学校・R高等学校「2026年度 生徒募集要項」
- NHK学園高等学校「転入・編入学をお考えの方」
- NHK学園高等学校「2026年度 科目別履修状況証明書」


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