通信制高校へ転校したいときは、国内高校間の一般的な手続きでは、退学届を先に出さず、現在の高校に在籍したまま候補校へ転入相談をします。先に退学が成立すると転入ではなく編入として扱われ、募集月や必要書類が変わる場合があるためです。
学籍を残すことは、つらくても登校を続けることと同じではありません。欠席や休学を含む過ごし方は現在校へ相談し、健康と安全を優先してください。そのうえで、候補校の受入日が見えるまで退学日だけを家庭で確定せず、両校の案内に沿って学籍の日付を調整します。
退学届を先に出すと何が変わる?
退学後の編入がすべての人に不利という意味ではありません。ただし、在籍中なら利用できた転入手続きが使えなくなり、次の条件が変わる可能性があります。
| 確認点 | 在籍したまま転入 | 退学後に編入 |
|---|---|---|
| 入学区分 | 転入学 | 編入学 |
| 学籍 | 学校間で日付を調整して移る | 退学日から編入日まで空白が生じる場合がある |
| 募集時期 | 随時・毎月受け入れる学校もある | 学期の区切りに限定する学校もある |
| 履修中科目 | 転入時点の記録を候補校が確認 | 退学時点で未修得なら正式単位とは別 |
| 学校作成書類 | 現在校の転入学照会状・証明書など | 前籍校の在籍・成績・単位証明書など |
募集月と書類名は学校ごとに違います。退学後も入学できる学校はありますが、希望月まで待つ必要が生じる可能性があります。現在も在籍中なら、まず転入学として受け入れられる最短日を候補校へ聞いてください。
退学前7項目チェック
- 現在の学籍と正式な退学日
不登校や休学中でも学籍が残っていれば、転入として相談できる可能性があります。現在校へ「現在も正式に在籍しているか」「退学届を出した場合、いつ退学が成立するか」を確認します。すでに提出した場合も、承認前か、退学日が確定済みかを聞いてください。 - 希望する転入日と卒業年月
「できるだけ早く環境を変えたい」「同級生と同じ3月に卒業したい」「通学負担の少ないコースを選びたい」など、優先条件を整理します。候補校には入学できるかだけでなく、希望卒業月までに必要な学習を終えられるかを聞きます。 - 候補校の受入日と出願締切
現在も高校に在籍中と伝え、最も早い転入日、希望コースの開始日、本人の出願締切、現在校作成書類の必着日、受入可否が分かる日を確認します。高校本体の転入日と、通学コース等の利用開始日が違う場合もあります。 - 修得済み単位と履修中科目
前年度までに正式認定された科目と、今年度に履修中の科目を分けます。科目名・単位数・認定時期を候補校へ示し、認定、継続、一部再履修、再履修のどれになるかを確認します。合計単位数だけで卒業時期を決めないでください。 - 現在校に依頼する書類と発行日数
候補校の募集要項と指定書式を先に受け取ります。その後、現在校へ転入学照会状、在籍・成績・単位関係の証明書、科目別履修状況など、指定された書類の発行日数、手数料、厳封、送付方法を確認します。 - 転入後に続けられる条件
単位修得に必要なスクーリング会場・曜日・年間日数、宿泊や移動、レポートの提出方法、試験日、授業料以外のコース費・教材費・交通費を確認します。「オンライン中心」「週1日」という案内だけで、必須の登校日を判断しないでください。 - 現在校の最終在籍日と候補校の受入日
受入れの見通しが確認できたら、両校の案内に沿って日付を調整します。文部科学省の指導要録記載要領では、転学元の学校は、転学先が受け入れた日の前日に当たる年月日を記録します。家庭だけで日付を決めず、両校が確認した日を残してください。
高校2年から同級生と同じ卒業月を目指す場合は、2番と4番について、認定単位、在籍期間、必履修科目、特別活動、転入後の日程まで確認します。

候補校に確認する内容
問い合わせの最初に「現在も在籍中」と伝えます。資料請求だけでは個別の転入日や単位認定まで分からないため、現在の学籍、学年、入学年月、休学期間、修得済み単位、履修中科目、希望卒業月を整理して相談してください。
現在、高校○年生で、○年○月に入学し、今も在籍中です。○年○月の転入と、○年○月の卒業を希望しています。最も早い転入日、出願と学校書類の期限、認定見込みの単位、転入後の履修内容、条件を満たした場合の卒業年月を確認したいです。正式書類の提出後に変わる可能性がある項目も教えてください。
回答が「随時」「単位は引き継げる」だけなら、実際の日付と科目別の扱いを聞き直します。選考がある場合は、合否・受入可否が判明する日も退学日より前になるか確認してください。
現在校に確認する内容
候補校から必要書類と締切を受け取ったら、現在校へ転校を検討していることを伝えます。担任へ話しにくい場合は、保護者と事務室、学年主任、進路担当、スクールカウンセラーなど、相談しやすい窓口から始めて構いません。
通信制高校への転校を検討し、候補校と転入日を相談しています。退学届を先に進めず、現在の正式な学籍状態、今年度の単位認定時期、転入に必要な書類と作成日数を確認したいです。候補校の指定書式と締切はこちらです。
現在校には、書類をいつ時点の情報で作れるか、学校から候補校へ直接送るものがあるかも確認します。発行に時間がかかる場合は、その日数を候補校へ伝え、希望転入日に間に合うか再確認してください。
退学届を先に出さず、転学手続きを進める一般的な順番
- 現在の正式な学籍状態を現在校へ確認する
- 候補校へ在籍中であることを伝えて転入相談する
- 単位・在籍期間・希望卒業月を事前確認してもらう
- 候補校の募集要項と学校作成書類の指定書式を受け取る
- 現在校へ書類作成を依頼する
- 出願、面接などの選考を受ける
- 受入可否と転入日を確認し、両校の案内に沿って最終在籍日を決める
基準は「退学してから学校を探す」ではなく、「受け入れられる学校と日付を確認してから転学手続きと学籍異動を進める」です。転入相談の段階で現在校へ連絡が必要か、正式出願のどの時点で学校間の照会が始まるかは候補校へ確認します。
手続き中は、出願締切、学校書類の必着日、受入可否が分かる日、現在校の最終在籍日、候補校の転入日を一枚に記録します。日付が変更された場合は、一方の学校だけでなく両校へ共有し、学籍の扱いを再確認してください。
すでに退学届を出した・退学済みの場合
すでに退学届を提出していても、まず現在校へ、まだ在籍中か、退学が承認済みか、正式な退学日はいつかを確認します。承認前なら、候補校の受入日と調整できる余地があるかを両校へ相談してください。提出した届を家庭の判断だけで取り下げられるとは限りません。
退学が成立している場合は、候補校へ編入として、最も早い入学月、前籍校の在籍期間、修得済み単位、必要書類、入学後の履修計画、条件を満たした場合の卒業年月を聞きます。正式に修得した単位は、退学しただけで自動的にゼロにはなりませんが、卒業単位への算入は編入先が正式書類を基に判断します。
本人が安全に過ごせない、健康上すぐに環境を離れる必要がある場合は、手続きの有利不利より安全を優先し、保護者、学校、医療・相談機関などへ早めに相談してください。登校を続けることと学籍の日付を調整することは分けて考えられます。
参考資料
- e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」
- 文部科学省「高等学校及び特別支援学校高等部の指導要録に記載する事項等」
- 文部科学省「成年年齢に達した生徒に係る在学中の手続等に関する留意事項について Q&A」
- NHK学園高等学校「転入・編入学をお考えの方」


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