通信制高校は、74単位以上あるだけでは卒業が確定しません。自分で数えた単位と学校が正式に認定した単位が違う、必要科目が残っている、通算在籍期間が足りない、特別活動が未完了、卒業判定日に認定が間に合わない――という場合があるためです。
「74単位あるのに卒業できない」と言われたら、単位合計だけを数え直すのではなく、次の5項目を学校の記録で切り分けます。最終的な卒業可否と卒業年月は在籍校が正式に判定します。
74単位あるのに卒業できない5つのケース
| ケース | 起きていること | 学校へ確認すること |
|---|---|---|
| 1. 正式認定は74単位未満 | 通知表や履修中科目を含めて自分で74単位と数えている | 正式認定済み単位、認定されなかった科目 |
| 2. 必要科目・学校所定単位が残る | 合計は74以上でも、学校が求める科目や74を超える所定単位が未完了 | 学校所定の卒業単位数、未履修・未修得科目 |
| 3. 通算在籍期間が3年未満 | 単位は足りても、前籍校を含む在籍期間が不足している | 算入期間、通算3年以上になる日 |
| 4. 特別活動が未完了 | 教科の74単位と別に確認する特別活動の履修・成果がそろっていない | 学校記録上の単位時間、残る活動、参加可能日 |
| 5. 卒業判定日に間に合わない | 履修中科目の認定日や活動日が、希望する卒業月の判定後になる | 単位認定日、卒業判定日、次の卒業認定月 |
同じ「74単位ある」という状態でも、必要な対応は違います。学校へ「どの条件が、いくつ、いつまで不足しているか」を項目別に答えてもらいます。
ケース1・2|数えた74単位と卒業に使える単位を分ける
卒業判定に使うのは、本人が通知表から足した数字ではなく、学校が正式に認定し、卒業要件へ算入した単位です。次の数字を混ぜると「74単位あるはず」という食い違いが起きます。
| 単位の状態 | 卒業判定で確認すること |
|---|---|
| 前籍校で修得済み | 転入先が何単位を卒業要件へ算入したか |
| 現在履修中・修得見込み | いつ正式認定され、卒業判定に間に合うか |
| 未修得・履修不認定 | 再履修が必要か、別科目で補えるか |
| 学校外学修等 | 在籍校が卒業単位へ算入すると正式決定したか |
国が示す卒業単位数は74単位以上です。「以上」なので、学校が74単位を超える卒業単位数を定める場合があります。合計が足りても、学校の教育課程で必要な科目が残っていれば、その科目の履修・修得を確認します。
単位そのものが不足している場合は、追試・再履修の可否と卒業時期への影響を分けて確認してください。

ケース3|通算在籍期間が3年以上になる日を確認する
通信制課程の修業年限は3年以上です。前籍校の在籍期間を通算できる可能性はありますが、休学・空白期間・学籍異動日を家庭で足しただけでは卒業日を確定できません。
学校には、前籍校のどの期間を算入したか、転入後の期間を含めて3年以上になる日はいつかを確認します。単位が先にそろっても、在籍期間を満たす前には卒業できません。
| 確認項目 | 学校の回答 |
|---|---|
| 前籍校から算入する期間 | 年 月 日~ 年 月 日 |
| 算入しない休学・空白期間 | |
| 現在校への転入日 | 年 月 日 |
| 通算3年以上になる日 | 年 月 日 |

ケース4|74単位と特別活動30単位時間を足さない
教科・科目等の74単位以上と、通信制課程の特別活動30単位時間以上は別の基準です。74+30=104単位を取る意味でも、学校へ30日・30回通えばよいという意味でもありません。
特別活動は、ホームルーム活動、生徒会活動、学校行事などについて、学校の指導計画と履修記録で確認します。家庭の参加メモではなく、学校記録上の単位時間、成果の確認、卒業までに参加できる日程を聞いてください。
| 確認すること | 確認理由 |
|---|---|
| 現在までの学校記録 | 本人の参加回数と学校の計上は同じとは限らない |
| 不足する単位時間 | 教科の単位不足と分ける |
| 対象活動と開催日 | 数字が少なくても卒業判定前に活動がない場合がある |
| 欠席時の振替 | 代替日や代替活動の扱いは学校で異なる |
ケース5|単位認定日と卒業判定日の前後を確認する
不足条件をすべて終える予定でも、希望する卒業月に間に合うとは限りません。レポート、スクーリング、試験を終える日と、学校が単位を正式認定する日は別です。さらに、単位認定後に卒業判定を行う日と、実際の卒業認定月があります。
例えば3月卒業を希望する場合は、「3月までに終える」ではなく、次の順で実日付を確認します。
- 未完了のレポート・スクーリング・試験・特別活動の最終日
- 各科目の単位認定日
- 卒業判定日
- 卒業認定日・卒業証書の日付
卒業判定日に間に合わない場合は、次の卒業認定月と、その間の在籍・履修・学費も同時に聞きます。
卒業できない理由の切り分け表|学校へこの形で聞く
「卒業できますか」だけでは、見込み回答と正式判定が混ざります。次の表へ、学校が正式書類を確認する前の見込みと、確認後の回答を分けて記録します。
| 確認項目 | 見込み回答 | 正式確認後 |
|---|---|---|
| 学校所定の卒業単位数 | 単位 | 単位 |
| 卒業要件へ算入済みの単位 | 単位 | 単位 |
| 不足単位・必要科目 | ||
| 通算在籍期間の満了日 | 年 月 日 | 年 月 日 |
| 特別活動の不足と参加日 | ||
| 単位認定日 | 年 月 日 | 年 月 日 |
| 卒業判定日・卒業認定月 | ||
| 未達の場合の次の卒業月 |
私の正式認定済み単位、未履修・未修得科目、通算在籍期間の満了日、特別活動の不足、単位認定日を確認したうえで、○年○月の卒業判定に不足する条件を項目別に教えてください。間に合わない場合は、次に卒業できる月と追加で必要な履修・費用も教えてください。
単位・在籍期間・特別活動を含む卒業条件全体の確認順は、次のガイドで整理しています。

まとめ|74単位ではなく不足条件と日付を特定する
74単位以上あっても、正式認定単位、必要科目、通算在籍期間、特別活動、単位認定日と卒業判定日のいずれかが未完了なら、希望月に卒業できない場合があります。単位合計だけを数え直さず、5項目のどこが、いくつ、いつまで不足するかを学校記録で確認してください。
参考資料
- e-Gov法令検索「学校教育法」第56条
- e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」第96条
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」
- 文部科学省「高等学校学習指導要領解説 総則編」
- 文部科学省「高等学校学習指導要領解説 特別活動編」
- 文部科学省「通信制高校について」


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