年度途中で通信制高校へ転入するとき、現在の高校で受けている授業は、そのまま修得済み単位として移るわけではありません。一方、転入した時点ですべての学習が無効になるとも限りません。現在校の単位認定時期と、転入先が確認できる科目別の記録によって扱いが変わります。
確認する判断は一つです。履修中の各科目を「修得済みとして認定」「転入先で継続」「一部または全部を再履修」のどれにするか、両校の書類を基に確定します。ここでは転入月全体の選び方や卒業時期ではなく、科目ごとの扱いに絞って説明します。
履修中と修得済みの単位は別に整理する
時間割や成績表に科目名があるだけでは、その科目を修得したとは判断できません。卒業単位へ加えられるのは、原則として学校が学習成果を評価し、正式に単位修得を認定した科目です。
| 整理する状態 | 意味 | 転入時の確認 |
|---|---|---|
| 修得済み | 現在校が正式に単位を認定している | 証明書を基に、転入先が卒業単位へ算入できるか判断 |
| 履修中 | 授業・出席・課題・試験が途中で、単位は未確定 | 継続できる範囲と不足する学習を科目別に確認 |
| 履修のみ・仮評定など | 一部の学校が使う記録上の表現 | 全国共通の区分ではないため、書類の意味を発行校と受入校へ確認 |
「今年度は20単位を履修している」という合計だけでは足りません。科目名、予定単位数、認定時期、現在までの出席・提出物・試験を分けて整理してください。
通知表の評定、履修した記録、単位修得証明書に載る単位も混同しやすい項目です。手元の資料だけで決めず、現在校には「この科目は転校予定日までに正式な修得単位として証明できますか」と科目ごとに質問します。修得済みと回答された科目でも、転入先で卒業単位へ算入する最終判断は受入校が行います。
単位認定の時期は学校・科目で違う
年度末にまとめて単位を認定する学校もあれば、学期末や科目終了時に認定する学校もあります。文部科学省の高等学校学習指導要領解説は、科目を学期の区分に応じて指導する場合などに、単位修得の認定を学期ごとに行うことも可能としています。
ただし、前期の成績が出たことだけで、単位認定済みとは限りません。現在校には、転校予定日時点で単位修得証明書へ記載できる科目と、まだ履修中として扱う科目を分けてもらいます。学期認定が制度上可能であることと、自分の学校が実際に認定することは別です。
転校日を数日ずらせば単位が認定されるとは限りません。認定日までに必要な出席、試験、提出物が残っている場合があるからです。現在校の認定予定日だけでなく、その認定に必要な条件を確認し、候補校の出願締切と並べて判断してください。
転入先の扱いは認定・継続・再履修に分ける
| 転入先の回答 | 確認する内容 | 卒業計画への入れ方 |
|---|---|---|
| 修得済みとして認定 | 現在校の正式な認定単位と、転入先の教育課程との対応 | 認定が確定してから修得済み単位へ加える |
| 転入先で継続 | 前籍校の学習記録をどこまで用い、残りのレポート・スクーリング・試験をどう行うか | 転入後の条件を完了した時点で認定を待つ |
| 一部または全部を再履修 | 科目内容、単位数、進度、証明資料の不足部分 | 必要な学習を新しい履修計画へ入れる |
同じ科目名でも、単位数や学習内容、評価方法が同じとは限りません。「国語は続きから学べますか」ではなく、「現代の国語2単位について、現在校の記録のどこまでを使い、転入後に何を終えれば認定されますか」と聞くと回答を比較しやすくなります。
候補校から「引き継げます」と回答された場合は、それが正式認定済みの単位を指すのか、転入後の継続履修を含むのかを確認します。継続の場合は、残るレポート数、スクーリング日、試験日と、年度内の認定期限まで書面に残すと、修得済み単位との取り違えを防げます。
科目別履修状況証明書で確認する項目
年度途中の転入では、候補校が指定する科目別履修状況証明書などを現在校へ作成してもらうことがあります。書類名と必要条件は学校ごとに違うため、現在校が普段使う証明書を先に取り寄せず、候補校の指定書式を確認してください。
- 科目名と予定単位数
- 単位認定の時期と、認定済みか未確定か
- 出席時数・欠課時数
- 試験や途中評価の記録
- 提出済み・未提出の課題やレポート
- 転校予定日までに記載できる最新の状況
NHK学園高等学校は、転入希望日が9月1日以降の場合、在籍校作成の「科目別履修状況証明書」を必要書類として案内しています。これは全国一律の書類ではなく、同校の出願条件の例です。候補校ごとに必要書類を確認してください。
福岡県立博多青松高等学校の2025年度後期転入資料には、一部単位の修得、履修のみの認定、継続履修の判断に使う仮評定の記載例があります。これも同校・同年度の運用例です。「履修のみ」「仮評定」を全国共通の状態名として候補校へ当てはめないでください。
書類の作成者は現在校ですが、採用する書式と判定基準を決めるのは候補校です。まず候補校に必要書類と締切を聞き、その後に現在校へ依頼します。記載できない項目がある場合は、代わりに提出できる資料があるかを両校で調整してください。
高2・10月転入の科目別例
前年度までに30単位を修得し、今年度20単位を履修中の高校2年生が10月転入を希望する場合でも、最初から50単位とは数えません。30単位と、履修中20単位の科目別回答を分けます。
| 科目 | 現在校の状態 | 候補校の回答 |
|---|---|---|
| 科目A | 前期分を正式認定済み | 証明書確認後、卒業単位へ算入予定 |
| 科目B | 履修中で課題提出済み | 指定された残りの学習を継続 |
| 科目C | 履修中だが記録不足 | 一部を再履修 |
| 科目D | 未認定・未完了 | 転入先で再履修 |
この例で決めるのは20単位を一括で引き継げるかではなく、科目AからDの扱いです。同級生と同じ卒業月を目指せるかは、その回答に在籍期間、必履修科目、特別活動、転入後の日程を加えて別に判定します。
候補校が二つあるときは、同じ資料と同じ転校予定日を示して回答を比較します。一方には成績表、もう一方には詳しい証明書を見せると、認定数の差が学校の基準によるものか、情報量の差によるものか分からなくなるためです。

履修中単位を確認する6ステップ
- 今年度の科目を一覧にする:科目名、予定単位数、学期、現在の状態を整理します。
- 現在校の認定時期を聞く:年度末、学期末、科目終了時のどれかを確認します。
- 候補校へ現在の資料を見せる:成績表だけで事前確認できるかを聞きます。
- 指定書式を受け取る:証明書名、記載基準、提出期限を確認します。
- 現在校へ作成を依頼する:転校予定日までの記録をどこまで載せられるか確認します。
- 科目別の回答を書面で残す:認定・継続・再履修と、転入後に必要な学習を記録します。
正式書類の提出前に得られる回答は見込みの場合があります。出願後や書類到着後に認定結果が変わる条件も併せて聞いてください。
確認の途中で転校予定日が変わった場合は、現在校が証明できる学習状況も変わる可能性があります。日付を更新したうえで、候補校へ科目別回答の再確認が必要かを聞きます。
科目別確認表
| 科目名 | 現在校の状態・認定日 | 候補校の扱い・転入後の学習 |
|---|---|---|
| 修得済み・履修中/ 年 月 日 | 扱い:認定・継続・一部再履修・再履修 学習:レポート・スクーリング・試験 |
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| 修得済み・履修中/ 年 月 日 | 扱い:認定・継続・一部再履修・再履修 学習: |
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| 修得済み・履修中/ 年 月 日 | 扱い:認定・継続・一部再履修・再履修 学習: |
候補校が複数ある場合も同じ表を提示し、科目ごとの回答を並べます。最終的な認定は、前籍校の正式書類と転入先の教育課程に基づく学校の判定で確認してください。
参考資料
- 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編」
- 文部科学省「高等学校学習指導要領 第1章 総則」
- NHK学園高等学校「転入・編入学をお考えの方」
- 福岡県立博多青松高等学校「令和7年度後期転入学における単位修得・成績証明書の記入について」


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