前の高校で「未修得」または「修得0単位」と正式に記録された科目は、その時点では修得済み単位に数えられません。ただし、その科目を履修した記録まで自動的に消えるとは限りません。
評定1だけで判断せず、履修したか、単位を修得したか、記録が確定しているかを分けます。候補校ごと・科目ごとに未修得科目・転入後扱い確認票を作り、正式書類を確認した後の判定を残してください。
未修得・評定1・修得0単位は同じ意味ではない
通知表や証明書にある言葉を家庭で読み替えると、候補校へ伝える状態が変わります。「評定1だから未履修」「0単位だから授業を受けていない」とは限りません。
| 表示・状態 | 正式に分かること | 確認すること |
|---|---|---|
| 評定1 | 学校が学習状況を低い段階と評価した記録 | 最終的な修得単位数 |
| 未修得 | 履修しても単位修得に至らない状態を指す例がある | 発行校が使う定義 |
| 修得0単位 | その科目で修得を認定された単位が0 | 履修記録と転入後の登録科目 |
| 未履修・不認定 | 用語だけでは履修要件未達か判別できない | 証明書の凡例・記入要領 |
| 履修中 | 評価・単位がまだ確定していない | 未修得確定科目と分けて判定する |
前籍校の確定記録を確認する|通知表だけで決めない
年度途中の通知表と、転学時の正式な証明書は同じではありません。文部科学省の指導要録に関する通知では、科目ごとに評定と修得単位数を別々に記録します。5段階評定の1と、修得単位数の0は別の欄です。
前籍校には、次の項目を科目ごとに確認します。
- 科目の正式名称と対象年度
- 履修単位数と修得単位数
- 評定と、その記録が確定した日
- 履修が完結しているか、途中なのか
- 「未修得」「未履修」「不認定」の学校内での意味
家庭で作った一覧は相談時のメモには使えますが、正式証明の代わりにはなりません。候補校の最終判定は、前籍校の正式書類を確認した後に変わる場合があります。
転入後の扱いは3つに分けて聞く
「未修得の単位は引き継げますか」だけでは、0単位なので引き継げないという回答で終わります。知りたいのは、転入後にどの科目を履修するかです。
| 候補校へ聞く判定 | 確認する意味 | 回答として残すもの |
|---|---|---|
| 履修記録の反映 | 前籍校で履修した事実を自校の計画へどう使うか | 履修済み・未履修・保留 |
| 同一科目の再履修 | 同じ名称の科目を登録し直す必要があるか | 科目名・単位・開始時期 |
| 対応・代替科目 | 教育課程が異なる場合にどの科目を対応させるか | 正式科目名・単位・判定根拠 |
履修記録を反映すると回答されても、0単位が修得済みに変わるとは限りません。反対に、転入後に単位を修得し直す場合でも、前籍校と同じ科目名を最初から履修するとは限りません。候補校の教育課程に沿った科目名で回答を受けます。
たとえば、前籍校で科目Aを履修したものの修得0単位だった場合、候補校の回答は「科目Aを再登録」「教育課程上対応する科目Bを登録」「履修記録は認めるが卒業単位として別の科目が必要」などに分かれます。どれに当たるかは、科目名の似方ではなく正式書類と教育課程の照合で決まります。
回答には、転入後の科目名、単位数、開始できる時期、レポート・面接指導・試験の期限、単位認定予定日まで含めてもらいます。「再履修が必要」という一言だけでは、希望する卒業月へ間に合うか判断できません。
必履修科目は「履修」と「単位修得」を分ける
高校では、卒業までに履修する必要がある教科・科目と、学校が定める卒業単位数の両方を満たします。未修得になった科目が必履修科目なら、前籍校で履修した記録を認めるか、転入後にどの科目で単位を修得するかを別々に聞きます。
| 確認順 | 学校へ示すもの | 候補校から受ける回答 |
|---|---|---|
| 1. 前籍校の記録 | 教育課程表・正式な証明書 | 履修記録として認める範囲 |
| 2. 候補校の対応科目 | 前籍校の正式科目名 | 自校で対応する正式科目名 |
| 3. 転入後の単位 | 修得0単位の記録 | 新たに必要な科目・単位・時期 |
単位制高等学校教育規程が卒業単位へ加えられるとしているのは、以前の高校で修得した単位です。未修得の0単位を修得済みとして自動加算する規定ではありません。
学校指定書類でも評定・履修・修得は別欄になる
N高・S高・R高の2026年度指定様式では、履修単位、評定、修得単位、学習完結状況を別欄で記録し、「履修は認めるが単位修得はない」例を評定1・修得0として示しています。
これは同校の書類作成例であり、全国共通の記号ではありません。候補校が指定する様式と前籍校の記入方法を確認し、似た科目名を家庭で対応させないでください。
相談時の見込みと正式書類後の判定を分ける
最初の電話や個別相談では、通知表や本人の説明を基にした見込みしか答えられないことがあります。見込みを正式決定として扱わず、判定が変わる条件を確認します。
| 段階 | 学校へ示すもの | 残す回答 |
|---|---|---|
| 最初の相談 | 通知表、科目一覧、本人の状況 | 出願可否の見込み・必要書類 |
| 前籍校へ証明を依頼 | 候補校指定の様式・発行期限 | 記載する科目・履修・修得の範囲 |
| 候補校が正式書類を確認 | 成績・単位・教育課程等の書類 | 認定内容・転入後の登録科目 |
| 履修登録を確定 | 入学後の教育課程・年間予定 | 開始日・学習期限・認定予定日 |
正式判定を行う部署、判定予定日、結果を確認できる書面や画面も聞きます。担当者名だけでなく、回答日と前提にした書類を記録してください。
候補校へ伝える情報を科目ごとにそろえる
複数の未修得科目を合計だけで伝えると、必履修科目と選択科目、履修完結と未完結が混ざります。次の情報を1科目ずつそろえます。
| 伝える情報 | 確認先 | 候補校へ聞くこと |
|---|---|---|
| 正式科目名・対象年度 | 前籍校の教育課程・証明書 | 自校の対応科目名 |
| 履修単位・修得単位 | 前籍校の正式記録 | 履修記録として認める範囲 |
| 評定・学習完結状況 | 指導要録・指定様式 | 追加資料や確認が必要か |
| 必履修科目か | 両校の教育課程 | 転入後に履修・修得する科目 |
| 希望する転入月 | 候補校の募集要項 | 年度内に登録・認定できるか |
口頭で質問するときも「評定1の科目があります」だけで終えず、正式な修得単位数、履修が完結しているか、希望転入月を合わせて伝えます。
未修得科目・転入後扱い確認票|科目ごとに作る
気になる科目が3つ、候補校が2校なら、科目と学校の組み合わせごとに作ります。
| 確認項目 | 前籍校の正式記録 | 候補校の回答 |
|---|---|---|
| 科目・年度 | 正式名称・対象年度 | 対応する自校科目 |
| 評定・確定日 | 評定・記録確定日 | 判定に使う範囲 |
| 履修の状態 | 履修済み・未履修・その他 | 履修記録の扱い |
| 履修・修得単位 | 履修単位・修得0単位 | 認定内容・追加確認 |
| 必履修科目 | 前籍校の科目区分 | 履修済み・未履修・保留 |
| 転入後の科目 | ― | 再履修・対応科目・追加不要 |
| 登録・認定時期 | ― | 登録日・認定予定日 |
| 正式判定 | 書類発行日 | 判定日・回答方法・担当部署 |
未修得科目が複数ある場合は、必履修科目を先に確認し、年度内に登録できる科目と翌年度へ回す科目を候補校に並べてもらいます。
元の同級生と同じ3月に卒業できるかは、未修得科目1つだけでは判断できません。認定される単位・在籍期間と、転入後の履修期限を確認します。

まとめ:評定ではなく正式記録と科目別判定を見る
未修得・評定1・修得0単位を同じ意味として扱わず、前籍校の正式記録を確認します。そのうえで候補校に、履修記録、再履修、対応科目、新たに必要な単位を科目別に回答してもらってください。
参考資料
- 文部科学省「高等学校及び特別支援学校高等部の指導要録に記載する事項等」
- 文部科学省「高等学校学習指導要領解説 総則編」
- e-Gov法令検索「単位制高等学校教育規程」
- N高等学校・S高等学校・R高等学校「2026年度 出願書類」


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